2009年12月26日土曜日

最期まで長々と失礼しました。





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●前回までのあらすじ。

呼び起こされるロビンの記憶。
あの時、ロビン王家の家宝「アノアロの杖」を盗んだのはマリポーサこと「盗っ人ジョージ」だった!
王位争奪戦が始まる一ヶ月前、プリムの世界では一つの戦いが終わりを告げようとしていた。
突然、異世界に飛ばされた13。
待ちうけるお菓子の脅威。
ついに感動のフィナーレ!
屁のつっぱりはいらんですよ!
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第十三話・最終回「さらば13!最強最後のじゃがポックル!後編」





仲間の想いを乗せて13が最期に放った渾身の超必殺技!
轟音と烈風が大地をさらった後には誰も残されてはいなかった。
果たして戦いの行方は!?



王宮。
13が北の民ジェイソンの代理として最初に旅立った場所である。




王様「こやつがそうなのだな。」


王様の前にいたのはじゃがポックル最後の一人、カリットだった。
彼を挟むようにボックス、スフィアが側に立つ。

二人の表情は戦いのときと違い、穏やかなものだった。
全てを終えた、そんな安堵の顔だ。
驚くことにカリットの表情まで柔らかなものに変わっていた。





カリット「私が最後のじゃがポックル。望み通り、私の首を刎(は)ねてくれ。」


復讐に満ちていたじゃがポックルの面影は無い。
王様に対し謙虚に頭を下げ、堂々と罪を認めたのだ。


王様「早まるでない。カリットとやら。」


カリット「私はこれまで仲間とともに多くの命を奪ってきた。
仲間を利用し、自分以外の存在を虐げ、優れた者の力による支配が一族の為だと信じて。
孤独と不安、それに負けた心がそうさせたのだ。

だが私は、私が見下していた、仲間との絆に敗れた。
人を信じる心。一人の男によってその大切さに気づかされた。
今出来ることはこの命を捧げ、私が傷つけた者、家族の気持ちを少しでも晴らすこと。」





ボックス”カリット、お前・・・・・。”


カリットは真っ直ぐな目で王様を見た。
凶暴にして犯罪を繰り返してきた男も最期は戦士としてけじめをつけようとしていたのだ。

王様は静かに言った。





王様「たしかにそなたはその命で有り余るほどの重罪を犯してきた。
罰を下さねば、他の者にしめしもつかないだろう。
・・・しかし、あの男と約束してな。」

カリット「あの男・・・?」



*「寛大な男じゃったよ。」


誰かの声がして、皆が振り返る。
そこにいたのは、13が一番最初にこの世界に着いた家の祖父だった。


カリット「あ、あなたは・・・!?」




祖父「あやつは王様とわしにこう言ったのじゃ。」





・・・
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13「じゃがポックルは改心しました!会心の一撃ですっ!
彼の命は俺が預かります。
これからは世界再建の為に力を揮ってもらい、罪を償うように伝えてください。」

王様「むぅ。しかし・・・。」

13「祖父。いいや、賢者カルビー。あなたもそう望んでいるんじゃないんですか?」

王様「なんじゃと!?」





衝撃!

なんと、じゃがポックルを生み出した賢者カルビーはあの『祖父』だった!
王様も知らなかった事実になぜ13は気づいたのか!?


賢者カルビー「バレておったのか。いつわしの素性に気づいたのじゃ?」

13「えっへん!初めて会ったときです。その時は賢者の存在すら知らなかったけど。
一度だけ言ったセリフに違和感を感じちゃったのだー。」



・・・
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祖父「おっさんじゃが今からジェイソンを連れ戻すのは困難じゃ。王様との約束を破るわけにいくまい。」







「じゃが」。



・・・
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実際、全話のどのセリフを探しても通常の会話で「じゃが」という言葉を使ったのは祖父だけ。
※「じゃがポックル」「じゃがいも」など単語は除外。



13「伊達にネタブログ書いてないもんねーだ!
思えば初めから『お菓子な家族とお菓子な世界』だったしね!(第二話タイトル)」





無茶だろうと・・・話は進んでいく。





賢者カルビー「恐れ入ったわい・・・。さすがわしの見込んだ男じゃ。
あれは偽りの家族、母は役者、息子ジェイソンも存在しない。
それにしても申し訳なかった。

老いたわしは”息子”たちの暴走を止められず、戦闘力の高い戦士を頼ることにした。
じゃがこの世界で強いとされるプリム族も手も足も(出)ないし、人間もレンダリングコストが高すぎる。」

13「そこで髪の毛の無い俺が選ばれたってことか・・・って髪の毛ある!ある!」

賢者カルビー(まさか伝説の英雄お菓子『かりんとう』の血が混じっていたとはわしも知らなかったが・・・)


王様「とにかく争いは終わった!今宵は宴じゃ!
13!お前も早く休んで夜に備えるがよい!よくやった勇者13よ!」

13「んー、ご馳走食べたいけどもう時間みたい。
沙織お嬢様・・・じゃなかった、女神アテナが元の世界に返してくれるってさ。」

王様「そうか、行ってしまうか・・・。我々プリムの民はお前のことをけして忘れはせん。」

賢者カルビー「達者でな。」



・・・
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カリットは膝を突き、うなだれた。
プリム戦士たち、それに王様、祖父、プリムの世界全ての人々が想いに伏した。


カリット「あの男、本当に俺を救ってくれやがった・・・。借りが出来たな。」

スフィア”さよならも言わないで行ってしまったのね。13らしいわ・・・”


ボックス”ありがとう13。
いつか君が困っていたら俺たちが君の世界へ助けに行くよ。・・・友達同士の約束だ!


・・・・・

女神アテナ(よくぞ頑張りました。13。
冒険があなたの宿命。
あなたの歩む先にはこれからも幾多の試練が待ちうけているでしょう。

ほら、また一つ、近づいてくる冒険の足音が聞こえます・・・。
またいつかお会いする日を楽しみにしていますよ。)


繰り返すが、このプリムの世界で起こった冒険は、
13の失われた過去の記憶の一部であり、実際に起きた出来事である。
つまり、この話が13とプリムの友情関係の始まりであり、
現在13が孤独に暮らす世界、セカンドライフの世界にプリムがあるのも
もしかしたらここで生まれた”絆”がきっかけになったのかもしれない・・・。



・・・
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13「ふんが?」


いつもの部屋。
13は時計に手を伸ばして時間を見ると、慌てて飛び起きた。


13「ぎゃああ!!いつの間にか寝てしまった!・・・店長に
おーこーらーれーるー!!



プリムの世界の冒険。
セカンドライフの世界に戻った勇者は、そのことを何一つ覚えていなかった。





13「ティッシュ配りしないとノルマが!ノルマが!!!・・・青山ノルマ
・・・なんて言ってる場合か!
ほんとにもう!街中LOVE(愛)で溢れてるのに一人で何やってるんだろ。
カップル見かけたら、鼻くそ飛ばしてやる!」




13「・・・まあ、でも。俺にはプリムがいるからいっか!」





”僕たちはいつも側で応援してるよ・・・!”

13「ん。何か聞こえた?・・・気のせいか。」


古びた扉を押し開けば、13の家に冷たい空気が流れ込む。

季節は冬。
目の前に広がる銀景色。

恋人たちの楽しそうな声と微笑で街をいつも以上に活気づく。





13「うし。世界中の皆さんに愛を!
・・・メリークリスマス!!!」




配達員「13さーん。郵便です。」

13「う?」


渡された一通の封書。
嫌な予感がしてさっそく中を見る。

それは。

新たなる冒険の幕開けだった。






厳正なる審査の結果、貴殿は見事選ばれました。
拒否権はございません。

・・・
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GYARAN-DOUにようこそ。



Fin.





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●エピローグ

忘れてはいけない。
本当の目的を。


じゃがポックル購入。配送。


ナカミノヒト「こいつか。元凶は。」

・・・
・・・・・


配送数がわからないので、とりあえず一箱ずつ購入。




 「じゃがポックル」1箱180g(18g×10袋入) 840円





「じゃがピリカ」1箱180g(18g×10袋入) 840円


疑問が生じる。



180g(18g×10袋)は少ない。



開けてみた。








中身。






タバコと比較。





 「じゃがピリカ」と並べてみた。





戦士じゃがポックル族の三人を確認。



疑問が生じる。



美味しいのか?





一袋だけ開けてみる。





小さい。



皿にあける。






少ない。


・・・
・・・・・




いいにおいだ。



疑問が生じる。



美味しいのか。

 
 試食してみた。






 香り良し。








触感良し。








これは。









うまい。





疑問が生じる。



発送になるとお金がかかる。



購入代金+送料×人数+ガソリン代+精神的苦痛による迷惑料



割りに合わない。



イライラしてきた。



イライラしたら眠くなった。



寝た。



・・・



起きた。




両親からお礼を言われた。



・・・
・・・・・
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食べられた。





オチ考えてたのに連載途中で半端に箱を開いちゃったもんだから、
市販のお菓子だと思った家族の手によって全滅。







おしまい。



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連載中は抜け毛が激しかったです。どうも13です。

普段お世話になっている方への感謝と、昔のブログ愛読者様がまだいらっしゃると聞き、
久しぶりにブログを書いてみようと思ったのがきっかけでした。
楽しんで頂けたでしょうか?

クリスマスイブ完結、毎日更新、全十三話完結を目指して書いてきましたが、
年末ならではの忙しさもあり思うように進みませんでした。
予定日を過ぎてしまいましたが、最終回を迎えることができてホッとしています。

応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
よい年末を。

Thirteen Kronfeld
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