2011年12月16日金曜日

たまフォーエバー~動物たちの戦国~

こんばんわ@3@ノくまでっす!
今年も残りわずか、クリスマスも近づいてまいりましたが
クリスマスムード0%のままお送りしております@p@

というわけで、アザラシ編もいよいよクライマックス!!
サクッとおさらいのあと、感動のラストをご覧ください・・・




前々回、多摩川のアザラシ・たまちゃんが
セカンドライフに流されてきましたが、心ないくまの手により
ピラニアの池に落とされてしまいました・・・




そして前回、奇跡的に生還を果たしたたまちゃんは
何とか隠れ家に逃げ延びるも追い詰められ、そこには驚くべき光景が・・・

たまちゃんにより繰り返される、カッパさんへの痛々しい拷問!!
ついに明かされるたまちゃんの過去・・・




時は500年前にさかのぼり・・・戦国時代も終わりを迎え
ある武将によって天下統一が果たされようとしつつ感ありげなノリさながらムードを
漂わせてるオーラが微妙にでてなくもないような気がしなくもない的な頃

ある武将が治めている領内で事件は起きる




ある武将の名は、織田信ナガッパ
室町幕府を治めた足利家を滅亡に追い込む感もハンパなく
まもなく日本初の天下統一を成し遂げようとしていた・・・

ナガ「天下統一するにはソーシャルサイトいんすぴ。が一番や~
   セカンドライフはまだまだ市場として魅力的なんやで~」




自らの人生を懸けた天下統一への道のりは、それはもう果てしなく長く
その小さな体に溜め込んだ性欲は、もはや爆発寸前だった・・・

ナガ「天下統一も間違いないし、世継ぎが必要ぢゃ!!
   皆の者、余の嫁候補を探してまいれ!」

そして天下統一に先駆けて、織田信ガッパ様により
全国各地から1番の美女たちが城に集められた




数日後、桜が綺麗なある村では・・・


農夫「たまちゃん、絶対ぇ嫁さなってくんだどー!!」

瓜売り「天下人のお嫁さいけば、村もたぐさんの恩赦がでるっぺ~
     村のためにがんばってけろ~~!」


そう、天下人の嫁という肩書き、そしてその恩恵に預かるために
村一番の美しい娘が信ナガッパ様の城へと送りだされたのだ




村中の期待とプレッシャーを小さな背中に背負うその娘こそ・・・
たまちゃんの先祖にあたる多摩ヶ姫であったのだ

たま「わだすが信ナガッパ様のお嫁さなって、
   村の皆が喜んでくれるだでな・・・
   父ちゃん、母ちゃん、行ってくっぺよ~」




前日の夜に覚悟は決めたはずだった・・・
しかし自分が生まれ育った村が遠く離れるほど、
胸の奥に押し込めていた不安が大きく膨れあがっていく・・・

たま「あぁ、ここでよく幼馴染の風太ちゃんと遊んだっけな~
   風太ちゃんは村でただひとりアザラシとして生まれたわだすを
   偏見を持たずに接してくれたんだっぺ・・・」




 たま「・・・風太ちゃん、ここでわだすと結婚しでくれるって言ったんだっぺよ・・・
    小っちぇ~時の約束だから覚えてねっかもしんねーけど
    わだす今まで生きてきた中で一番嬉しかったんだぁ・・・」

もう村は見えないところまで来てしまった

たま「・・・覚えてくれてっと、嬉しいな・・・」




時が経つほどに紐解かれていく幼馴染との淡い思い出たち・・・
たまちゃんはそれが恋心だということに気づきながらも
貧しい村のために信ナガッパ様の嫁になることを選らんだのだ・・・

たま「風太ちゃん・・・」




村一番のR&Bシンガーとしてステージで歌い続けた日々・・・

ときにはアザラシなんかがと酔っ払った客におしぼりを投げつけられたこともあった
それでも歌い続けてこれたのは・・・




幼馴染であり、レッサーパンダの風太ちゃんが
わだすの隣でピアノを弾いてくれたから・・・
わだすはステージの上でも独りじゃなかった

嘲笑や蔑みは少しずつ拍手に、そして歓声に変わっていった

たま「風太ちゃんのおかげで、わだすは羽ばたけた・・・
   もう思い残すことはないっぺ
   わだす、明日信ナガッパ様の嫁入りするっぺ」




風太「・・・たまちゃん、一緒に逃げよう!」

たま「だめだっぺよ、信ナガッパ様の嫁候補が逃げだしたりなんかしたら
   村の人たちみーんな牢屋に入れられちゃうっぺ」

風太「・・・」




風太「もし君が運命に背いてぼくの手をとってくれるなら・・・
   明日、二人だけの秘密の場所で待ってるから」

たま「風太ちゃん・・・」





たま「・・・村のみんな・・・ごめんだっぺ!!」






足軽A「あ!!アザラシが逃げたぞ!!」

足軽B「追え、逃がすなーーー!!」

それがいけないことだと知りつつも、たまちゃんは自分の本心に・・・
彼への想いに逆らうことができなかった

たとえこの先、大きな罪に打ちひしがれようとも
彼と離れ離れになるぐらいなら・・・
他の男の物になるぐらいなら・・・
その呪いをすべて受け入れる!!

たま「風太ちゃん・・・待ってて、待っててけろーーー!!」




 必死に追っ手を振り切り、とにかく走った
すべすべで滑らかなお腹をひきずり、2本のヒレで大地を駆けた

しかし、約束の場所に幼馴染の・・・愛する人の姿はなかった・・・

たま「風太・・・ちゃん?
   そんな・・・待っててくれるって言ったのに・・・」

足軽A「見つけたぞ!!まった逃げやがって!!」




こうして追っ手に捕まったたまちゃんは、
涙ながらに信ナガッパ様の元へと運ばれた・・・

愛する人への想いを断ち切れないまま、何度も脱走を試みたため
ついには狭く小さな檻の中に閉じ込められてしまった

たま「だして!!はなして!!
   わだすは風太ちゃんに会いたいんだっぺよ!!」

信ナガッパ「フン、あのレッサーパンダのことか?」

たま「どうしてそれを!!?」

信ナガッパ「あのレッサーパンダがあの日約束の場所に来なかったのは・・・
       余の所有物であるオマエを連れ出そうとしたから斬り捨ててやったのだ!!」

たま「おまえを恨ーーーーーーーーーーーーーーーーむ!!」




そ・・・そんなことがあったなんて・・・

たま「その後本能寺の変にて自害したと見せかけて逃げ延びた信ナガッパをつかまえて
   私の先祖の恨みをカッパの子孫に至るまで晴らしていたのよ・・・」

そうだったのか・・・

たま「でもここが見つかってしまった以上・・・そろそろ潮時のようね」




たま「また会いましょう!!」

あ然とする我々を尻目に逃走を図ったたまちゃん・・・
そんな彼女を、追うことができなかった

一言で善悪で片付けてしまうには
あまりにも時が経ち過ぎていたからだ・・・

我々はあとに残されたきゅうりをほお張りながら
彼女の丸みのある背中を見送るしかできなかった




後日彼女から一通の絵葉書が送られてきた
そこには時の重圧から、呪いとも言えるべき愛憎の連鎖から解放された
一匹のアザラシがアルパカと戯れる様が写されていた

たまちゃんが流れつく次の場所は、あなたの近くにある河川かもしれない・・・



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